期間工に対するいじめやパワハラはあるのか?工場の人間関係について

3ヵ月〜半年のような短期間から働くことができ、未経験でも一定の福利厚生や給料を受け取ることができる期間工(期間従業員)。

応募から採用までが比較的短期間で完結することもあり、今すぐに職につきたい、企業や独立のための資金を貯めたい、はたまた期間工から正社員登用を目指したいといった様々な考えの方に選ばれている働き方です。

主に工場に置けるライン作業を中心とした業務のイメージが強い期間工ですが、工場という閉じた職場であり、また正社員と比較すると立場が弱く感じられることから、いじめやパワハラを受けるのではないか?と不安になる方も多いのではないでしょうか。

今回はかいとーの期間工経験から、職場で期間工に対するいじめやパワハラはあるのか?について解説したいと思います。

目次

工場における期間工の役割と立場

本題に入る前に、工場という職場において期間工がどのような役割を果たし、どういった立場にあるのかをおさらいしておくことにしましょう。

よく、「期間工は都合よく使い捨てられる存在」「期間工は社員の奴隷である」といったイメージを持たれている方がいますが、これらのイメージは期間工経験者からすると、正しい部分こそあれ、必要以上にマイナスの印象を持たれていると感じるのが正直なところです。

期間工の役割は単純作業

期間工は繫閑の差はあるものの、一年を通して募集しているメーカーが数多く存在します。そのため毎週のように新しい期間工が入社しては、逆に半年や1年といった契約期間の満了を迎え退職していくといった入れ替わり立ち替わりの存在です。

当然ながら、体の不調や何らかの理由によって期間満了を待たずに退職する期間工も一定数存在するため、「期間工は使い捨て」と感じている社員が少なからずいることはまぎれもない事実でしょう。

実際の業務においては、期間工は就労期間の短さゆえ高い技術や経験を求められる業務は担当できません。

したがって、業務の大多数を占める単純作業を期間工が担当し、一部の難易度の高い作業、あるいは作業全体のとりまとめといった管理業務を正社員が担当するという体制が基本となります。

立場は正社員より弱い

前述した通り、期間工は単純作業を担当し、期間工への指示や全体管理を行うのが正社員となるため、立場は正社員と比べて弱いと言って良いでしょう。

期間工は自身の判断で何かを行うことはできず、基本的には指示やマニュアルに沿って作業を遂行することが求められ、当然管理を担当する正社員の指示には従う必要があります。

そのため、たとえ非効率だと思われる指示であっても、黙って受け入れるしかありません。

中には何十年も期間工を続け、正社員以上の発言力を持つ期間工もいますが、これは極めてまれなケース。

発言力や影響力といった立場は、正社員には遠く及びません。

工場の操業において重要な役割を果たしている

しかしながら、立場が弱いからと言って不当な扱いを受ける、あるいは無理な業務を押し付けられるといったことはありません。

なぜならば期間工は製造ラインにおける業務の大多数を担い、製品の品質を維持する重要な存在だからです。

工場業務は多くの場合製造の各工程に対しグループ分けがなされ、グループ単位で業務や作業品質の管理が行われています。

仮に期間工を冷遇することで退職が相次ぎ、単純作業の欠員が増えると、管理業務を担当するはずの正社員がライン作業に従事する必要が生じ作業品質が低下する、最悪の場合は他のグループに欠員補充のためのヘルプを依頼することになるなど、グループとして社内に悪影響を与えることとなります。

当然ながらこのような状態になれば、評価が下がるのはグループの管理を担う正社員です。

そのため自グループの業務を滞りなく進め、自身の社内評価を高めるためにも、期間工は丁寧にかつ大切に扱うべき存在なのです。

期間工に対するいじめやパワハラはあるのか?

ここまでに説明した内容と一部重複してしまいますが、改めて期間工に対するいじめやパワハラがあるのかどうかについて説明しましょう。

結論としては、期間工の方自身に大きな問題がない限り、正社員からいじめやパワハラを受けるケースはほとんどありません。

基本的には丁寧に指導してもらえる

前述した通り、正社員の立場から期間工に求めることは、「与えられた作業を滞りなく完結すること」のみであると言っても過言ではありません。

そのために、期間工が少しでもスムーズに作業ができるように、あるいはミスを少なくできるように丁寧な指導やサポートを行っている方が大半です。

仮に自身が適当な指示をした結果、期間工が何らかの問題を起こしてしまった場合、その責任をとるのは正社員です。極端に言えば「期間工は丁重に扱ってもらえる」といった職場が多いのではないでしょうか。

そもそも人間関係は薄い

また工場勤務は、作業に関するやり取り以外で他の作業員と会話をする機会が少ないため、個人的な好き嫌いによるいじめやパワハラも発生しにくい環境です。

とりわけライン作業においては、操業時間中前後の工程を担当する人以外とは顔を合わせる機会も少ないですし、決められた時間内に作業を行う必要がある都合上余計な会話をしている余裕もありません。

もちろん、コミュニケーションが苦手な方もいらっしゃると思いますが、そのような方も無理に会話をする必要がないのが工場勤務の良いところ。

正社員と個人的な付き合いをする必要がないため、作業内容以外の人間的な部分で嫌われてしまうといった心配もする必要が無いのです。

あまりに問題があると厳しい扱いを受けることも

とはいえ、いじめやパワハラまでいかずとも、厳しい口調で注意を受けてしまったり、執拗に監視をされてしまうケースは0ではありません。

正社員の指示を無視する、勝手な判断によるミスを繰り返す、あるいはミスの隠ぺいを行うなどの問題行動をしてしまい、「この期間工はいない方が良い」と判断されてしまった場合です。

このような場合正社員からすると、厳しくあたることで期間工の問題行動が直ればそれでよし、仮に辞めてしまったとしてもかえって作業品質の向上に繋がると考えることができます。

問題となる社員を丁寧に扱う意味はなくなり、いじめやパワハラに近い状況が発生してしまうというわけです。

不遇な扱いを受けないために

いじめを受ける可能性はあるんじゃないか、と思ったあなたもご安心ください。

経験上、相当の問題行動を起こさない限りこのようなことは発生しませんし、1年間期間工として勤務した中でもこのようなケースは1件あるかないかといったくらいに少数です。

最後に念のため、正社員に目をつけられてしまうことがないように日々の業務において抑えておくべきポイントを3つ紹介します。

マニュアルや指示を遵守する

まずは、自身の作業に対して与えられているマニュアルや指示を徹底して守るということが挙げられます。

作業に慣れてくるとありがちなのですが、作業スピードを求めるが故にマニュアルと違った手順で作業を行う、あるいは確認作業を飛ばしてしまうなどしてミスをしてしまった場合、間違いなく指摘を受けてしまいます。

指摘を受けても従わずに、なお繰り返すことになると、グループに面倒ごとを持ち込む問題社員として冷遇されてしまっても仕方ありません。

逆に言えば、マニュアルを遵守したうえでミスをしてしまった場合は、よほどのことがない限り厳しい扱いを受けることはないのでご心配なく。

迅速かつ丁寧に作業を行うことは、期間工に限らずあらゆる仕事において重要な心構えだと言えるでしょう。

基本的な挨拶や返事を欠かさない

作業と直接の関係がないところでは、始業前後の挨拶や、指示を受けた際の返事など、基本的なコミュニケーションをできる限り欠かさないことが好印象に繋がります。

正社員と密に会話をすることは少ないため、かえってこれらの日常的なやり取りをしっかりと行っているかどうかで人間性が見られると言っても良いかもしれません。

こちらもビジネス・プライベートのいずれにも言える事ですが、もし会話が苦手だと感じる方がいれば、この機会に意識して行ってみることで今後のキャリアにも良い影響を与えるのではないでしょうか。

ミスをしたら正直に申告する

最後に少し抵抗があるかもしれませんが、ミスをしてしまった場合は必ず自ら報告をしましょう。

たとえば作業が漏れてしまったかもしれない、ミスをして部品を壊したり、傷つけてしまった場合などは、すぐに正社員を呼び出し、自己申告することが肝心です。仮に自身がマニュアルを守らなかった結果であったとしても同様です。

期間工による何らかのミスが発生し、製品をダメにしてしまった、あるいは工場の操業を止めてしまった場合、正社員は誰がミスをしたのか、なぜミスが起こったのか、再発を防ぐためにどのような対策を行うのかを上層部に報告する義務が生じます。

ここでミスをした人が隠ぺい工作を行った場合、正社員がこれら全ての項目を調査し、報告するために多大な労力を要してしまうことになり、日々の業務に大きな影響を与えてしまうのです。

こうなれば、最終的に自身のミスであると発覚した場合に厳しい叱責を受けることある意味当然ですよね。

作業に不慣れな方も多い工場勤務において、ミスが発生することは日常茶飯事。ミスをした場合にはすぐに報告をし、ミスの理由と再発防止策を考える。ここまで行うことができれば、万一ミスをしてしまったとしても大きな問題はありません。

おわりに

期間工は正社員と比較した際に、待遇面や立場の違いから不遇と感じてしまうことがあるかもしれません。

しかしながら、期間工には期間工に求められる役割があり、日々の行動に大きな問題がない限りはいじめやパワハラでストレスを感じてしまうことは少ないと言えるでしょう。

また、期間工は正社員のように仕事に縛られる必要はありませんし、作業外の膨大な業務量に押しつぶされてしまうといったこともありません。

お金、時間の自由、衣食住…期間工としてのキャリアに求めることは人それぞれですが、期間工という働き方はいずれにおいても決して不遇なものではないと、最後にお伝えできればと思います。

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