小学生の休み時間を中心に、屋外遊びの代表格として遊ばれているドッジボール。
学研総合研究所の「よくあるスポーツ・遊び」調査によれば、かけっこ、水泳、縄跳びに次いで第4位に支持されているそうです。
そんなドッジボールですが、「顔面セーフ!」を合言葉に、わざとボールを頭に当て生き残る人を見たことがあるはず。
痛みと引き換えに内野に生き残る権利を得る、このような作戦は本当に「顔面セーフ」なのでしょうか。
今も昔も使われる「顔面セーフ」
小学校の体育や休み時間に遊ばれるドッジボールでは、頭や顔面にノーバウンドのボールが当たった場合はセーフとするのが一般的。
このルールを一言で表すのが「顔面セーフ」ですが、大人になった今も耳に残っている方は多いようです。
面白いことにこの「顔面セーフ」という言葉は、現代に至るまで変わらずに使い続けられている共通言語だそう。
とはいえセーフなのはルール上のみであって、当たった側は当然痛いので「セーフ」ではないですし、女子の顔面に当てようものなら当てた側は「人としてアウト」になりかねない皮肉な言葉でもあります。
基本的には顔面はセーフ
実はドッジボールの公式ルールブック第906条において、「顔面セーフ」と呼ばれるルールが「ヘッドアタック」の名称で明記されています。
ヘッドアタックのルールを抜粋すると次の通りです。
- ノーバウンドで相手の顔面、頭部に当ててたらファール(反則)。
- 投球が無効となり当てられたプレイヤーはセーフ、ボールは相手チームに移る。
- 髪の毛やハチマキにかすった場合は適用されずアウトになる。
頭や顔面に当たってしまった場合セーフというのは正式なルールであることがわかりますね。
わざと頭や顔で受けた場合はアウト
それでは、わざと頭や顔面でボールを受けた場合は「顔面セーフ」なのでしょうか。
残念ながらこちらは「アウト」であることが同じく公式ルールブック906条に明記されています。
- わざとにボールに顔や頭をもっていったと審判員が判断した場合は、ヘッドアタックは適用されない。
- 当たったボールが地面に落ちればアウト。
- 地面に落ちる前にキャッチした場合はアウトにはならないが、相手ボールとなってしまう(イリーガルキャッチ)。
したがって、わざと「顔面セーフ」を狙うとただ痛いだけで全く良いことはないのです。
ドッジボールは足元を狙って投げましょう
ドッジボールのようなある程度の硬さがあるボールが頭や顔面に当たってしまうと、当然ながら転倒や脳震盪、骨折などの危険があります。
ドッジボールにおけるヘッドアタックのルールも、このリスクを少しでも減らすために設けられたのでしょう。
ですので顔面に当たるようなボールを投げるのは控えるべきですし、自分から顔面を当てに行くなんてもってのほかです。
ドッジボールは相手がキャッチしにくい足元に投げてアウトを狙うのが基本。
ルールを守って安全に、ドッジボールを楽しみたいものですね。