主に自動車を中心とした機械の製造工場において、様々な業務に従事することとなる期間工。
体を動かす肉体労働であり、また様々な工具を取り扱うことから体力や器用さが求められるイメージを持つ方が多いでしょう。
中には、製造物や工具を持つ機会から連想して、「握力がないと採用されないのでは?」「仕事についていけないんじゃ…」と不安になることもあるかもしれません。
今回はかいとーの期間工経験から、期間工に握力は必要なのかどうかについて解説します。
配属によっては握力を使う場合もある
期間工は求職者の年齢や性別、入社した際の人員の状況であったり、会社によっては適性試験の結果に応じて自身の配属先が決定します。
業務のつらさは実際に担当する作業工程によって大きくばらつきがあり、かいとーが期間工時代に配属されたグループで見ても「絶対きつい」と感じる工程から「余裕ありそう」な工程まで千差万別。
もちろん握力が必要な工程もあり、具体的には以下のような動作が発生する工程となります。
- ボルト・ナットを締めるために電動工具を多用する
- 一定の重量のある部品や製造物を頻繁に持ち運ぶ
- 何かを強い力で差し込む、ねじり込むような作業が含まれる
ちなみにかいとーの工程では、エンジンのこのあたりに分厚いホースを差し込む作業が含まれていました。(いい画像がなかったのでイメージです。)
特に冬場はゴムが固くなるため、腕が辛いのなんの。
万一、握力に自信が無い方がこのような工程に配属されてしまうと、なれるまでは少しきついと感じるかもしれません。
担当作業次第では、握力が鍛えられる!
とはいえ人間とは逞しいもので、握力が必要な作業を続けると徐々に慣れてきて握力がついてくるものです。
かいとーはもともと左右の握力が45kg前後と平均よりは強かったのですが、ホースをねじ込む工程を約9か月続けた結果右腕の握力が60㎏程度にまで上昇しました。
左右の腕を見比べても、明らかに右が太い状態に…。
力に自信が無い方でも作業を繰り返すことによって体力がついてきますし、握力も同様です。ある意味、体を鍛えながら給料を貰うことができるおいしい仕事と考えることもできるかもしれませんね。
握力がないと採用されない?
さて、それでは期間工に応募する時点で握力がないことを理由に落ちてしまうことはあり得るのでしょうか。
ご安心ください、握力が原因で採用されないといったケースは極めて少ないでしょう。
その理由についてご説明したいと思います。
握力で合否を判定している会社はほぼない
そもそも期間工の応募~採用までの間に、握力測定の機会を設けている会社は私の知る限り限りなくゼロに近いと思います。
それもそのはず、期間工は毎週のように何百人もの応募があり、採用側も1人1人に時間をかけることはできないため、簡易的な面接や書類選考だけで合否を決定しているような企業が大半です。
仮に面接などで握力を自己申告させることはあっても、実際に測定することはまずないでしょう。採用担当もそこまで暇ではありません。
また、前述したように配属先によっては必ずしも握力が必要というわけではないため、握力が弱いと申告した方はその前提で配属先を検討してくれるのが基本です。
適正検査で握力を測定する場合はある
採用が決まった後に、適性検査の名目で握力を測定することは十分に考えられます。
とはいえ、事ここに至って握力だけで採用を取り消されることも考えにくいでしょう。
一度決定した採用を取り消してしまうと、現場側の人員確保の目算が外れてしまうことになるため、現場から採用担当に対してクレームが発生することになります。
採用担当もそこまでの面倒をおかしてまで、握力だけを理由に採用をキャンセルするとは考えられません。
適性検査はあくまで「適した工程に配属するための情報」を得る場であって、合否について不安に感じる必要は全くありません。
握力が弱い場合も適した工程に配属される
繰り返しになりますが、期間工が担当する業務においては握力が不要な工程も多数存在します。
確かに、全く同じ条件で握力の強い人と弱い人がいた場合、採用担当と現場のいずれから見ても前者の方が魅力的であることは間違いないでしょう。
しかしながら、握力が弱い求職者はその前提で握力が不要な工程に配属すれば特に問題にはならないのです。
期間工という働き方自体、性別はもちろん若年層から中高齢者まで応募者層は多岐にわたります。
当然、高齢であるほど体力に不安がある方が多いため、そのような方も活躍できるような人事戦略をメーカー側も熟知しているもの。
また、職場として握力や体力に自信が無い方のサポート体制もある程度整っているいます。
具体的には少しでも作業を楽にするための設備や装備、潤滑油のような補助的な資材が準備されていますのでご安心ください。
おわりに
他の期間工経験者の方のブログによっては、「握力がないと落ちる」「期間工になる前に握力を鍛えておくべき」と描いている方もいらっしゃいますが、私は無理に体を鍛える必要はないと思います。
ただし、握力が不要な工程だからと言って必ずしも「楽な工程」であるとは限りません。
具体的には、歩行距離が長い、担当する作業が多い、しゃがむ機会が多いなどの理由できついと感じる工程に配属される可能性は残っています。
こればかりは運任せになってしまうため、少しでも楽な工程に配属されることを願いましょう。
とはいえ、きつい工程に配属された場合も体力をつけ体を鍛えるチャンスだと前向きに捉えることもできます。
もし握力や体力に不安があれば、かえって期間工にチャレンジすることで自らを磨き上げてみませんか?