なぜ東京臨海高速鉄道りんかい線の英語アナウンスは長いのか。

社会人時代には客先訪問のため都内を電車で移動することが多く、様々な路線に乗る機会がありました。

JR、地下鉄はもとより、時にはりんかい線やゆりかもめに乗ることも少なくありません。

そんな中、JRの大崎駅、あるいは大井町駅を通過する際にいつも気になることがあります。

「トウキョウリンカイコウソクテツドウリンカイライン」の乗り換え案内のアナウンス。

いや、めちゃくちゃ長いよ。あとなんでラインだけ英語で後はそのままなんだよ。

普段山手線を多く利用する方であれば、みなさん同じような印象を持つのではないでしょうか。今回はその理由について真剣に考えてみました。

目次

東京臨海高速鉄道りんかい線とは?

りんかい線は、東京臨海高速鉄道株式会社が運営し東京都も出資するいわゆる第3セクターの鉄道路線で、1996年に大崎駅~新木場駅を結ぶ路線として開業しました。

その名の通り海を臨み運航し、お台場周辺へ出かける際に利用されるケースが大半ですが、「東京テレポート」や「天王洲アイル」といった特徴的な駅名が多いことから全国的な知名度も高いのではないでしょうか。

英語名は“Tokyo Waterfront area Rapid transit Inc”。直訳すると東京の海岸付近の高速輸送機関。名前の通りですね。

現在ではJR埼京線との直通運転を行っていることから、一都三県を幅広く結ぶ路線として活躍しています。

なぜ会社名までアナウンスするの?

長い長い英語アナウンスにおける第1の疑問は、なぜ「東京臨海高速鉄道」の会社名までアナウンスするのか?という点です。

一般的には、同じJR内の路線は会社名を省略し、他社線は会社名の略称+路線名でアナウンスをします。そのためりんかい線も他社線として、略称をアナウンスするのであれば納得がいきます。

しかし、東急東横線のアナウンスが「トウキュウトウヨコライン」であるように、運営会社の正式名称まですべて読み上げるのは珍しいでしょう。

なぜ長くて読みにくいにも関わらずこのようなアナウンスとなっているのでしょうか。

JRに聞いてみた

実際にアナウンスをしているJRに確認してみました。こんなくだらない質問を問い合わせるのは担当者様にも迷惑がかかってしまうため、まずはLINEを使って取材をしてみることにしましょう。

こども職員には荷が重い質問だったようで、情報を得ることはできませんでした。仕方がないので自分で調べて考えてみることにしましょう。

長いアナウンスの原因は「ゆりかもめ」の存在

どうやら、同じく臨海エリアを運行する「ゆりかもめ」の存在が原因の1つとなっているようです。

実はゆりかもめの正式名称は「東京臨海新交通臨海線」なのですが、運営会社である株式会社ゆりかもめの名前にちなんで開業当初からもっぱら「ゆりかもめ」と呼ばれている背景があります。

とはいえ、どちらも名前に「りんかい線」と付き、さらに大崎・大井町と同じ路線が通る新橋駅の乗り換えになることからこの2つの混同を避けるために、会社名を読んでるという説が有力のようです。

「ゆりかもめ」を「臨海線」として認識している人はかなり少ないとは思いますが、訪日観光客が多いことを考えての対応でしょうか。

なぜ英語名ではなくカタカナ読みなのか

会社名をアナウンスする理由は、何とか納得ができました。

しかしそれならばなぜ英語名ではなく、日本語読みで「トウキョウリンカイコウソクテツドウリンカイライン」のアナウンスなのでしょうか。

こちらに関しては調査しましたが、めぼしい情報を得ることができなかったため理由を考えてみました。

鉄道路線名であることをわかりやすくするため説

仮に英語名がアナウンスされた場合は、「Tokyo Waterfront area Rapid transit rinkai line」ですが、

例えば「Tokyo Waterfront area」以降を聞き逃してしまった場合、「路線名」の案内であることを判断できません。

一方で、「トウキョウリンカイ」とアナウンスしていれば、少なくとも日本の固有名詞であることが判断できるため、なんらか旅程に関する情報がアナウンスされたのでは?と推測ができます。

また、大崎・大井町両駅共に実際のアナウンスの際は山手線や京浜東北線といった路線名の後にコールされます。

そのため、同じく日本語読みすることにより、路線名の案内であるという一貫性を持たせているのでは?と予想しています。

まとめ

いかがでしたか?長ったらしいアナウンスの裏には実は訪日観光客への心遣いが隠れているのかも知れません。

日本人からすると、りんかい線のアナウンスはどうしても違和感を感じてしまいます。

しかしながら、少しでも観光客の利便性を上げるために様々な取り組みがなされている昨今、あのアナウンスもおもてなしの精神の一環なのかもしれませんね。

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