日暮里・舎人ライナーが無人で怖い方へ。脱輪・脱線事故対策は万全!

雑感

東京都にお住まいの方にとって、鉄道や地下鉄を利用する機会は車と比べて圧倒的に多いのではないでしょうか。

その中でも一際目立つのが、ゆりかもめや東京モノレールをはじめとした最新鋭の交通システム。

とりわけ日暮里・舎人ライナーは、荒川区〜足立区周辺に住む方々の貴重な交通機関となっていますが、その傍でどこか「怖い」という印象を持っている方も多いようです。

今回はそのような日暮里・舎人ライナーの安全性について紹介いたします。

日暮里・舎人ライナーってどんな路線?

日暮里・舎人ライナーは2008年3月に開業した比較的新しい路線で、荒川区の日暮里駅と足立区の見沼代親水公園駅を結ぶインフラとして東京都交通局により運営されています。

最大の特徴として一般的な鉄道やモノレールとは異なる「新交通システム」であることが挙げられ、小型の車両を軌条(鉄道でいう線路)にしたがってゴムタイヤで自動走行する、 自動案内軌条式旅客輸送システム(AGT)が採用されています。

参考:https://www.mlit.go.jp/hakusyo/transport/shouwa49/ind020302/005.html

当時東京23区は鉄道・地下鉄多数の路線が開通をしていましたが、足立区西部についてはバスが主要な交通手段となっており、「23区最後の鉄道空白地帯」と呼ばれていました。

この問題を解決するために開業したのが日暮里・舎人ライナーで、当初は地下鉄として計画されていたものの最終的には建設コストや採算性を加味して高架上を走行する新交通システムとして建設されることとなりました。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%8B%95%E6%A1%88%E5%86%85%E8%BB%8C%E6%9D%A1%E5%BC%8F%E6%97%85%E5%AE%A2%E8%BC%B8%E9%80%81%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0

現在は通勤ラッシュ時間帯には混雑率189%に達し、東京都でも指折りの混雑路線である一方、その他の時間帯の利用者数が伸び悩みトータルでは赤字経営であるといった困難にも直面している路線となっています。

日暮里・舎人ライナーを怖いと感じる人は多い

こんな日暮里・舎人ライナーですが、他の鉄道路線と比べて様々な理由から「怖い」と感じている方が多いようです。

怖いと感じられる理由として大きく以下の3つの理由が挙げられます。

無人で運転されている

日暮里・舎人ライナーは無人で運転されているため、初めて利用する方だけでなく、普段から利用する方にとっても少々不安に感じられることがあるようです。

無人運行においてはコンピューター制御がより徹底して行われているため、ヒューマンエラーによる事故が少ない点はメリットですし、実際には無人といえど遠隔管理されているため完全に無人で運行しているという訳ではありません。

しかしながら、何かあった際にその場で対応してくれる運転手や車掌がいない点は少々心許ないのはその通りですね。

高所を走行し、軌道脇の壁が低い

日暮里・舎人ライナーはその全区間が高架上となっており、高いところでは地上30メートルほどの高さを走行しています。

そして軌道の左右に特段高い側壁が設置されているという訳ではありませんので、窓からは荒川区〜足立区の街並みを見下ろすような景色が広がっているのです。

眺めが良いといえばそうなのですが、最前席や最後席から見える景色はさながらジェットコースターのよう。

特にカーブを曲がる際に「このまま落ちてしまうんじゃないの?」と思ってしまいう方もいるようです。

過去に脱輪・脱線事故が発生し怪我人が出た

日暮里・舎人ライナーにおいて過去に脱線事故が発生してしまった経緯があるが故に、不安を感じている方も少なくないようです。

2021年10月7日に、首都圏で最大震度5強を記録する地震が発生。その影響で3車両が脱線、3名の負傷者が発生しました。

脱線によりそれ以降は全線運休、復興作業にも時間を要し、4日後の7月11日より運行を再開。

これらの一連の出来事より、日暮里・舎人ライナーは一般的な鉄道と比べて危険なのではないか?という印象を持たれるに至ったのです。

参考:https://response.jp/article/2021/10/12/350316.html

日暮里・舎人ライナーの安全対策

このように怖い、危険といった印象を持たれがちな日暮里・舎人ライナーですが、実際には過去の教訓からの改修を含め安全対策を徹底しているため、決して怖い路線という訳ではありません。

実際に日暮里・舎人ライナーにおける安全性について、3つの観点より紹介したいと思います。

新交通システムの構造に由来する安全性

そもそも新交通システム、特に日暮里・舎人ライナーが採用するAGTは、他の交通機関と比較してより安全な構造をしています。

例えば鉄道を考えてみると、極端に言えば「線路の上に車両が乗っている」だけの状態となるため、地震をはじめとした振動や横からの力、線路上の置き石といった急な上下動には弱い構造となっています。

一方で日暮里・舎人ライナーは2本の軌条に内側からゴムタイヤを押し付け走行するような仕組みとなっています。

左右への圧力とゴムタイヤの摩擦により、対振動性は鉄道より高いと言って良いでしょう。

また、物理的に置き石のような障害物を設置できないことも、1つの安心材料となります。

定期的な保守管理・災害対策の徹底

もちろん車両に限らず、高架や駅舎をはじめとした周辺設備についても定期的な保守管理・改修が徹底されています。

東京都交通局の安全報告書によれば、一例として下記のような安全対策が実施されています。

  • 職員に対する法令遵守や、基本作業徹底の指導
  • 車両をはじめとした建造物の導入・改修時の安全性の強化、耐震・耐雪対策
  • 災害発生時を想定した異常時総合訓練の実施、自然災害防止訓練
  • テロ対処訓練

安全報告書はWeb上で公開されていますので、気になる方はぜひ詳細をご覧ください。

参考:https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/about/safety/pdf/railwaybusiness_31.pdf

緊急地震速報受信時の自動停止機能の追加

前述した通り、2021年の地震により怪我人が発生し、大規模な運休が発生してしまったわけですが、その後地震対策として、緊急地震速報を受信した際に自動で全列車を一斉に停止するシステムを導入しました。

従来は緊急地震速報を確認次第、手動で全列車の一斉停止信号を送信していましたが、より少ないタイムラグで車両を停止、安全性の向上が期待できます。

参考:https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/pickup_information/news/nippori_toneri/2022/ntl_p_2022022410320_h.html

この他にも先の地震を踏まえた安全対策として、軌道上の段差を解消することで万一脱輪した際の落差を小さくし衝撃を緩和、車両内への衝撃を軽減する対策も行っています。(こちらは2022年度中に完了予定)

日暮里・舎人ライナーに限らず、鉄道をはじめとした交通機関は「移動」することが目的。地震のような、通常想定し得ない強力な外力の前で、脱輪・脱線を100%防止することは難しいと言わざるを得ません。

しかしながら、少しでも被害を抑えるため日々技術も進化しています。その点はぜひご安心ください。

日暮里・舎人ライナーは足立区を支える重要路線!

日暮里・舎人ライナーは最新技術を駆使したハイテク路線があるが故に、一見すると危険なのでは?と感じてしまうかもしれません。

自動運転やリニアモーターカーの導入についても同様に、最も賛否が分かれる点がその「安全性」と言えるでしょう。

しかしながらこれらの技術を導入するにおいては、国や関係企業は徹底的な安全基準を設定しており、遵守できて初めて公の運用が許可されています。

そのため、すでに開業以来10年を突破している日暮里・舎人ライナーも決して怖い、危ない路線ということはありません。

足立区〜荒川区に住む、あるいは通勤する方々のライフラインとして活躍する日暮里・舎人ライナー。

今後も変わることなく、沿線の生活を支え続けてほしいものですね。

雑感

Posted by かいとー