「アルバイト」と聞いて、最初に飲食店での仕事を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。
その中でも、居酒屋は求人が多く、メジャーなアルバイト先の一つ。時給も一般的な飲食店と比べて高い傾向にあるのもありがたいところです。
特に学生にとっては、同年代の仲間が多く楽しい環境である一方で、「お酒の場」としての仕事の苦労も避けることはできません。
今回は、居酒屋でアルバイトをしている、しようと考えているあなたに、4年の居酒屋バイトでバイトリーダーも経験した私の思う「居酒屋バイトあるある」を紹介いたします。
居酒屋アルバイト全般あるある
①どの時間帯も「おはようございます」のあいさつに戸惑う
多くの飲食店では、午前中だけでなく夜でも「おはようございます」とあいさつするように決まっています。
そうとは知らずに、アルバイト初日に「こんばんは」といってしまい、恥ずかしい思いをすることも。
なぜおはようなの?という方はこちらをご覧ください。
②まかないが有料で萎える
おいしい「まかない(アルバイトのみが食べられる食事)」を目的に飲食店で働く方もいますが、特にチェーンの居酒屋を中心に「1食200円」等、お金がかかるケースが多いようです。
逆に、個人経営の居酒屋では無料で食べられるケースもあります。高級なお店では、お刺身やステーキまでまかないで振る舞われることもあるようですね。
③たばこを吸うスタッフがめちゃくちゃ多い
ホールやキッチン、アルバイトや正社員問わず、休憩時は多くの人が喫煙しているように思います。
多忙の中、短い時間でリラックスができるたばこは、飲食業の方には必須なのかもしれません。
同僚に影響され、たばこを吸い始めるなんて人も何人か目にしました。
④店に到着したときに混んでいると帰りたくなる
遅い時間からの勤務だと、店に到着した瞬間からピーク…ということがあります。
居酒屋であれば、週末の18:00や19:00からのシフトに多いこの現象。
自分の勤務時だけは「混んでませんように」と思う方も多いのではないでしょうか。
⑤制服がおしゃれだとテンションが上がる
応募時に「制服がおしゃれな店ではたらきたい」という方もいるかもしれません。
女性はできるだけかわいい制服、男性は黒シャツやネクタイといったキレイ目の制服が人気が高く、特に見た目を大きく損なう頭巾はつけたくない!という声も多いようです。
⑥週末のピーク時を乗り切った後の達成感
駅前や人気店の週末は「常に満席」という状態も珍しくありません。
非常につらいことは間違いありませんが、その分勤務終了時の「やりきった」達成感や、同僚とのチームワークなど、学ぶことは多いでしょう。
特に経験を積むにつれ、周りのスタッフを見る目も養われ、状況把握や適材適所を見分けるスキルを身につけることができるのは大きな経験とも言えます。
⑦金土祝前日は基本入らないといけない
多くの人が「休みたい」と思う時期が飲食店の最も忙しい時期です。
そのため、シフトも金土祝前日を優先するよう要請されることが多く、休みを取りづらいのが正直なところです。
居酒屋によっては、「金土は必ず出ること」といったルールが課されているケースもたまに耳にします。
⑧店長次第で勤務環境が大きく変わる
チェーン店では、1~2年で店長が変わることがままあります。
基本的なマニュアルはあるものの、細かい部分は店長の裁量によることが多いため、店長が変わって一気に厳しくなった…ということがあります。
そして店長が変わることで店の売り上げが大きく変わった…ということもままあるようです。
⑨花火大会等のイベントがつらい
近隣でイベントごとが行われる際は、週末以上に混雑します。
花火大会、イルミネーション、年末年始…これらの日は店員さんは地獄を見ることがほとんどです。
「リア充爆発しろ」と思いながらお酒を提供することも珍しくはありません。
⑩スタッフ同士は基本的に仲が良い
大変なことも多いですが、スタッフは基本的に明るい人が多く、雰囲気は良いお店が多いように感じます。
ホール、キッチン問わず「飲食店」を選ぶ時点で、ある程度コミュニケーションが好きな人が多く、また大変な勤務があるからこそ、友情やチームワークが生まれるのではないでしょうか。
ホールあるある
①日常生活でもトレーの持ち方が変わる
トレーに料理を乗せて運ぶ際は提供をしやすいよう、「トレーは片手で、下から持つ」と教える居酒屋がほとんどです。
これ、普段の生活でも意外と便利で、普段からセルフサービスの食堂なんかでもやってしまうことがあります。
ただし、バランスを崩しやすい側面もあるため、特に滑りやすいトレーで行うのは避けたほうがいいでしょう。
②お客さんに連絡先を聞かれる、たまに仲良くなる
特に女性の方を中心に、「お客さんにLINEを聞かれた」ということも多いようです。
また、男性でも同年代のお客さんと仲良くなり、意気投合した…なんてことも。
忙しいときは考え物ですが、暇なときにこういった出会いがあるのは面白いですね。
③「味見」と称して少しお酒を飲む
ドリンクを作る場合、味が濃すぎないか、お酒が強くないかを確認するために「味見」と称してお酒を飲みまくっている人が1人はいます。
中には顔が赤くなっている人も…
ただ、色々なお酒やカクテルの味や作り方を知ることができるのはメリットでもありますよね。
④料理やお酒のことを質問されるがわからない
「おすすめのメニューは?」ならまだしも、
「この魚は何処産?」や「一番辛い日本酒を頂戴」等、社員でもわからないようなことを聞かれることがしばしば…
高級な居酒屋なら答えられるべきでしょうが、わからなければ大人しく店長を呼びましょう。
⑤タッチパネルで頼んでほしい
ぶっちゃけ、タッチパネルが置いてある居酒屋はその前提で人員が組まれているため、毎回ボタンで呼ばれたり、「すみませーん」なんて叫ばれた日には、店が回らなくなります。
タッチパネル使えよ!と思うことも少なくないでしょう。
大人数で居酒屋に行く時は、店員さんにも気を使ってあげてください。
⑥混雑時はカクテルよりビールのほうがつらい
勤務経験のない人と居酒屋に行くと、「ビールは入れるだけだから楽でしょう?」と言われますが、混雑時に大量のビールがオーダーされるのは本当にきついです。
カクテルは技術次第で素早くつくることができますが、ビールはサーバーから出る速度が決まっていますし、ジョッキを持つ片手を完全に取られるため、むしろ提供が遅くなってしまいます。
⑦注文を取りまとめてくれる幹事のありがたさ
大人数の宴会で、何度も何度も少しずつ注文されるのは非常に手間がかかります。
そのため、一回の注文で「ほかに注文する人は?」とまとめてくれる幹事は非常にありがたい存在であり、自身が飲み会に参加するときも意識してまう…といった人も多いようです。
⑧1年に1回くらい食い逃げが発生する
たとえ監視カメラがあっても、食い逃げは必ず発生します。
特に居酒屋は途中参加や途中退出が多いため、厳密にお客さんを把握することが難しく、発生すると店長が頭を抱えることとなります…
私も4年間で、3回の食い逃げを経験しました。食い逃げダメ、絶対
⑨嘔吐物処理じゃんけん
飲み放題がある居酒屋では、週末は1日1ゲロくらいが当たり前です。
もちろん誰も処理はやりたがらないので、裏でじゃんけんをして負けた人が処理をしていました。
たまに「吐いた人は自分かお連れ様で処理してもらいます」って書いてある店もありますが、本当にやらせてるんですかね?
⑩ビールを入れていると次第に飲みたくなる
あまりビールが好きではない人でも、おいしそうに飲むお客さんを見て何杯もビールを入れるうち、だんだん「この金色の飲み物はさぞかしおいしいんだろうな…」と洗脳され始めます。
もしかしたら、それがきっかけでビールが飲めるようになる人もいるかもしれませんね。
キッチンあるある
①料理長(キッチンの責任者)が怖い
キッチンを代表する社員さんは、職人気質の人や、「やんちゃしてたんだろうな…」という人が多い気がします。(特に関西圏は)
そのため、アルバイトを始めてすぐは厳しく感じられたり、きつい言葉で起こられることもあるかもしれません。
慣れれば、基本的にいい人ばかりなんですけどね。
②意外と料理は上手くならない
アルバイトで担当するのは、揚げ物や焼き物が多くなります。すでに仕込みが済んでいることが多く、あまり高度な技術を求められる作業ではないため、「料理がうまくなる」ということは期待できません。
「誰でも同じクオリティで料理を提供できる」ことは、チェーン店において実は重要な経営戦略。
とはいえベテランになるとお刺身の盛り合わせといったテクニックが必要な料理を任せられることもあるため、包丁さばきは上手くなるかもしれません。
③店のメニューを真似て自炊してみる
料理の上達は期待しづらい一方、店で出している様々な料理やレシピに触れる機会があります。
そのため、「こういう料理を作ればおいしいかな」といった料理に対する「センス」は養われますし、店で出しているメニューに似せたものを自分で作ってみる、といった人は多いようです。
居酒屋キッチンで働く人は、宅飲みでの勇者ですね!結婚してからも活躍間違いなしです。
④「鉄のフライパン」にあこがれる
厨房では、家庭用の一般的なフライパンではなく、使い込まれた鉄のフライパンを使う場合が多くなります。
これは、使い込むことで油がしみこんで調理しやすくなる、耐久性があるといったことが理由ですが、その使いやすさの虜になる人も少なくないんだとか。
多少重量があるため取り回しは難しいですが、テフロン加工顔負けの性能を発揮してくれます。
⑤自宅の包丁を研いでみる
特にお刺身を扱う店では、包丁の手入れが必要不可欠のため、本格的な砥石が常備されています。
キッチンが暇そうな時間帯に、砥石を使って自宅の包丁を手入れしてみると、その切れ味に感動すること間違い無しです。
私も時々自宅の包丁を持参し、キッチンの方に研いでもらうようにしていました。
⑥気づいたら調理師免許を取ることができる
調理師免許は、専門学校を卒業しないと取れない…というイメージがありますが、実は飲食店で2年以上キッチンの業務に携わっていれば、試験の受験資格が得られ、調理師免許を取ることができるのです!
持っていると将来的に役にたつのと、話のネタになることが多いので覚えておくとよいでしょう。
調理師免許に関する詳しい情報はこちら。
⑦新メニューが導入されると食事会
季節に応じた期間限定のメニューを出す際など、アルバイトで試食会が行われる場合もあります。
特にチェーン店で大規模なメニューの入れ替えを行う場合は、さながらパーティーのように試食会を行うため、まかないとは別においしい料理にありつける機会もあることでしょう。
⑧自宅の調理設備の貧弱さがつらい
業務用キッチンの設備に慣れてしまうと、家庭のガスコンロやIHヒーターはあまりに貧弱です。
炒め物をしたいのに火の通りが遅い、チャーハンがパラパラに作れない…といった悩みが良く聞かれます。
家賃や光熱費はかかりますが、キッチンの使いやすさや高性能なガスコンロはやっぱり必須なんだと今になって感じます。
⑨盛り付けのきれいさで勝負する
暇なときは、アルバイト同士で料理の盛り付け勝負が繰り広げられることがあります。
普段の業務では見たことの無いようなサラダの盛り付けがされていたりと、意外と厨房では(いい意味で)遊ぶことも多いんですよ。
⑩ネズミとの闘い
実は、飲食店がネズミに悩まされることは少なくありません。多くの店舗では各所に殺鼠剤が置かれています。
特にキッチンは、夜遅い時間になると営業中にも関わらずネズミがみられる…ということもあるのです。
間違っても客席に出られるわけにはいかないため、暴れられないよう神経を使う必要があります。
高校生店員あるある
①22時前に満席だと申し訳ない
高校生は労働基準法の関係で、22時までしか働くことはできません。
とはいえ、22時といえば2次会のピークに当たる時間。まだまだ満席…ということも多く、回りがばたばたしている中「お先に失礼します…」と上がらざるを得ないのです。
②ちょっと大人の世界にいるように感じる
多くの時間を学校で過ごす高校生にとっては、年上が多い飲食店の環境はとても新鮮に感じられます。
特に居酒屋は未成年が客として行くことも少ないため、すこし大人になったような気がしますし、実際に学校では経験できない貴重な時間を過ごすことができるでしょう。
交流の幅も広がりますし、様々な人との関わりを経験できる居酒屋バイトで得られるものは、お給料以外にも多いのではないでしょうか。
③アルバイト同士の飲み会に行きづらい
居酒屋ではアルバイト同士で飲み会もしょっちゅう開催されるのですが、高校生は時間の都合や、お酒が飲めない等の理由でなかなか参加しずらいことが多いようです。
とはいえ、未成年飲酒はいけませんが、できる限り参加してほしいのが幹事側の本音なんですけどね。
④友達と2,3人で応募する
学生になると、生活のために自分から進んで働く…という場合がほとんどなのですが、高校生の場合は友達に誘われてなんとなく働いてみる…ということも多いようです。
そのため、友達同士同じ日にシフトに入りたい!なんて希望も多いんだとか。
とはいってもみんな22:00にはあがらなければいけないため、シフトを組む店長にとっては悩みの種となることも…。
⑤やたらとお客さんに絡まれる
高校生に限った話ではないですが、若ければ若いほどお客さんに絡まれる機会が多くなります。
特に女子高生の場合、中年にはやたらと声をかけられる、若者には連絡先を聞かれる…といった光景も多いです。
ちなみに、男性がお客さんの女性に声をかけられることはほぼないので期待しないでください。
居酒屋バイトはツラいよ、でも楽しいよ
いかがでしたか?経験者の方は「あるある」と思っていただけたのではないでしょうか。
また、未経験者の方は「居酒屋ってこんなことがあるのか…」といろいろなイメージを膨らませたかもしれません。
大変に感じられるようなこともありますが、それでも接客の基本や調理の心構えを身に着けられる居酒屋のアルバイトは、お金に換えられない貴重な経験を得られることは間違いありません。
是非、これを機に居酒屋の店員に興味を持ってみてはいかがですか?